燦然たる黒歴史の溜まり場く(´(Å)`)ツルリ

誤字脱字発見有難いです〜グッドボタンに感謝〜

日記

リメイク企画

 「虚ヶ淵の幻」リメイク品の「虚仮淵の幻」、「あめにこまいぬ:町編」序盤リメイクの「再考編」を投稿サイト「小説家になろう」に各第一回を試験的にUPしてみました。

 

 ハンゲのシステムだと遡って辿りにくいというのもあり、当初は改めて読んでみたいという奇特なお方の後押しもあり、保全の目的もかねて軽い加筆修正をして載せてみようと思ったのですが。

 どちらも古くやたらと長いもので今も未熟ながら、とくに初期のものは見るに堪えない点がありましてあれこれいじっている間にほぼほぼ新規内容になってしまいました……。

 

↓以後どうなるかまだわかりませんがご興味のある方がいらっしゃればこちらから↓

http://mypage.syosetu.com/1045287/

(※なろうサイトに飛びます)

 

<おはずかしながらリメイク前の比較対象>

・虚ヶ淵の幻第一話

http://blog.hangame.co.jp/B0000310095/article/22205800/

シチュは同じながらもはや別物……。

・あめにこまいぬ:町編第一回

http://blog.hangame.co.jp/B0000310095/article/41389253/

最新話では修行ターンででてこない主人公氏が兄嫁の小言から逃走のシチュだけ同じ。リメイクではいきなり独自展開でキーアイテムを拾う……。

 

 「小説家」という響きが恐れ多くてびびってしまう。元来「小」説自体へりくだった表現なのですが、自分のものは駄文という域なのでひたすら恐縮_(┐「ε:)_

 

この記事の先頭へ▲

あめにこまいぬ終章人物

終章の登場人物。


<無悪無善と因縁のある三人組>
大山未曽有(当代)
 蝸牛十三、茄子秋を伴って現れた少年。質実剛健の作風で知られる刀工集団の長、大山未曽有を名乗っている。
 里を出奔した田楽長久とは兄弟弟子。捨て子であった身を一門に拾われ、ひとかたならぬ恩義を抱く。大人の「ずるい」振る舞いに怒りを抱く、生真面目な性分である。
 田楽が打った妖刀無悪無善は人が御せるものでなく、里を壊滅させてしまう。以来、年端もいかぬ身で仇討ちの旅を続けてきた。平木にて田楽が庇護されていると知り激昂。大人たちを詰問するが、長村堂外と良田門左の説得により、互いが打った刀を剣士に託して勝敗を決する流れとなった。蝸牛が背負った大剣は未曽有の手によるもの。

 

蝸牛十三
 未曽有の道中を助ける若き保護者。背の高い美丈夫。秋にべた惚れされ、あからさまな好意を寄せられているが意に介さぬ朴念仁。
 白雨次郎が格の違いを思い知らされて悔し涙を浮かべさせ、白雨正也に一目置かれる。作中屈指の腕前をもち剣鬼有馬とも渡り合う。妖刀による肉薄戦を好み、斬撃に伴う剣気は周囲を破壊し、余人が近寄れない凄まじいものである。しきりに眠気を訴え、隙あれば居眠りしようとしている。次郎一行とも寝具を扱う枕屋の軒先でばったりでくわした。
 
茄子家の秋
 茄子色の美しい髪をもつ、名家の令嬢風な気品を漂わす女性。未曽有の旅を助ける姉的存在。
 獏族の五指に入る名門茄子出身(彼女らの世界の財閥?大手企業?)。装身具も控えめながら逸品揃い。物腰柔らかく、おしとやかだが恋愛面で暴走の兆しがある。蝸牛にぞっこんだが相手にされぬせいで浮世離れした感覚のなりふりかまわぬ行動をとろうとする。

 若い男女の将来がかかる枕屋の一件の解決に躍起になったり、場を弁えずにいちゃつく二人を羨ましがる。
 戦闘では茄子家の財力、技術力にものをいわせた高性能兵器を用いる。彼女が用いる武器は女性目線の装飾が施されていることが多い(販売予定の試作品のようだ)。

 狙撃銃による精密射撃を得手とし、蝸牛の援護に回っていた。が、無悪無善らの戦力を知るや否や重火器(多連装式重機関砲、戦車砲、電磁砲紛い)による飽和攻撃を仕掛けるなど敵と断じた相手には情け容赦がない。

 

<春日家>
春日真砂
 平木藩江戸家老、並びに貿易を一手に取り仕切る春日家の姫。東洋と西洋のいいとこどり(本人談)をした金髪碧眼、長身の美女だが、外見に関するコンプレックスがある。皮主体の西部劇然とした服装をしており、二丁拳銃と細身の剣、刀を帯びている。
 春日家の初代はハレヴィと名乗る貿易商であり、太古に失われた故郷を探すことを悲願とするハレルの民。彼女もまた考古学と冒険好き。宝物、歴史資料に目がなく、家柄と経済力で有無をいわさず収集する。百鬼夜行の季節や無悪無善も、掻き入れ時と首を突っ込む。
 快活で豪快、強欲で強引でお騒がせな性分。温厚な門左の菓子入りの壺を奪い不機嫌にさせても悪びれずけろっとしている。村娘に因縁をつける武士を蹴散らし、捨て鉢な数馬を保護したり(臆病転じて慎重、真反対の個性なので配下にしたい)義侠心はある。次郎の嫁候補であり、彼の居室には彼女から贈られたと思しき西洋時計がある。
 平素は家業の貿易を手伝い、交易船に乗る。現世では妖術行使に大きな制限がつくという定説をあっさり破る水術の達人であり、水の動員量と形態操作に際立った技量を有する。探索行はお手のものといいつつ、罠や敵を顧みず直進し、腕にものをいわせて突破する。

 

<無悪無善一味>
無悪無善(真)
 百鬼夜行の季節にかこつけ妖刀をばらまき人心を乱し、徒党を組んで何事かを企む。無悪無善の名は無善無悪の語をもじったもの。しばしば一人称に僕をもちいる。編笠を被って面体を隠す。
 正体は田楽長久が作り出した妖刀。製作者田楽の屈折、母体となる邪神像の性質、祝福されずして生まれたという出自に疎外感を抱え、既存概念や体制、道徳観に反旗を翻す天邪鬼。精神面は未熟で身勝手、気まぐれでわがまま。
 幼児的な振る舞いにそぐわぬ桁外れの力をもつ。犬飼たちの藩や、未曽有の里などに天災の如き壊滅的被害を及ぼした。大技をけしかけ受け止めてみせ、複数の妖刀を操って攻撃を平然と連発し力を誇示する。編み笠を被った浪人風の第一形態、編笠を捨て去った銀髪紫眼の少女風の第二形態、巨大な邪神像形態などをもつ。
 妖刀と人の好相性を選りすぐる術を心得、配下は皆強力な妖剣士である。
 平木では直接手を下さず、百鬼夜行の影響下で理性のたがが緩まっている人々に妖刀をばらまき、更なる無秩序状態を作りだそうとしている。大不便物の妖刀縁切に対抗意識を燃やし、その使い手の数馬に関心がある。

 

捻転小僧
 かつて平木を襲った大飢饉の際、富豪や藩の蔵を襲い庶民にばら撒いた盗賊。気弱で風采があがらない中年男。駄々っ子の無悪無善をあやす役回りだが、押しが弱く振り回されている。しばしば一人称にあっしを用いる。
 虚脱感を漂わせ町を彷徨う数馬を慰めるなど人情家の面をみせ、一党の中では最も柔和。女子供は狙わない、敵でも手にかけるのをよしとせず、専守防衛に徹するなど独特の美学をもつ。ただし脅威と認めると一転容赦のない攻勢にでる。
 盗賊らしくはしっこい身のこなしが特徴。河童と縁があり、真砂に匹敵する強烈かつ大規模な水術の使い手。かつての稼業を美化しておらず、焼け石に水の自己満足、若気の至りだと述懐する。無悪無善とつるんでいる理由は不明だが、いつか強大な力のまっとうな使い道を見出してくれることを願っている。

 

鷹家の矢白
 獏族の名門鷹に属すると主張している眼鏡の若い男。矢白は現世での活動名。板状の携帯端末をいじくりまわしている。自慢の眼鏡は光ったり、曇りをとったりと妙な機能が付加されている。
 鼻につく自称エリートの典型。他人を見下す言動が目立ち、突き放した態度で傍観しているが、事が自身に及ぶや急に取り乱す。無悪無善がもたらす混沌に乗じて商いをすることで莫大な利益を得ている。取引や駆け引きを好み、戦闘時も策略を弄す。毒と扇動、洗脳術を得手とする。

 

有馬
 本当の数馬の父と目されている中年男。一党の中では最も剣術に秀で、用心棒的立場にあり蝸牛相手に優勢をとるほど。普段は寡黙で無関心。強い相手に格別の興味がある。また特定の女性に対して異常な執着を示し、突発的な行動(自滅、あるいは利敵)をとるなど、ある意味似た者親子である。無悪無善とつるんでいる目的は不明瞭。

 

縁起堂
 口入屋を営んでいる中年男。裏で阿漕な稼業の斡旋、妖刀の供給、手下の周旋をしているようだ。
地衣の吸太
 胡散臭い雰囲気が漂う中年男。新市円乃丞が飼っている情報屋であるが、無悪無善ともよしみを通じている。

 

<その他>
師子王(本物、隠棲)
 数馬たちが幼少期にある村で知り合った浅黒肌の少年。その正体は白雨次郎の先祖、師子王。妖刀妖術で心身を酷使した果て、人ならざるものと化している。
 数々の武勇伝を後世に残しているが長らく一線を退いている。駄菓子好きで、至って温厚で無邪気な質。懐が広く押しかけ弟子同然の数馬、真砂の面倒をみる。白雨家に連なる者にふさわしく空前絶後の妖剣技をもつ。姉の音寿に頭があがらない。


くのいち(お化け屋敷)
 お化け屋敷の地下で迷子になっていたくのいち。お面を被っている。忍びとしては妙にどんくさく、次郎捜索中の新市一行に保護される。体の線がやけにでている装束で、真砂は心の声で「忍者ならもっと忍べ」といっていた。彼女は出くわした白雨次郎に反応しており、平木忍び衆の棟梁椎名詠心の娘、花嫁候補である可能性がある。救ってくれた新市に心動かされている様子。

この記事の先頭へ▲

あめにこまいぬ・五章の登場人物

あめにこまいぬ・五、六章の登場人物。


獏(新人)
 獏族の若い女性。五章で初登場。白い毛並みがふさふさした子犬に酷似した姿とあどけなさの残る人間の娘の姿を使い分けている。
 本人はことあるごとに名乗ろうとするが、数馬や次郎は親睦を深めたくないと思ってそ知らぬふりをするので依然不明のままである。
 田楽長久の悪夢の中で、無悪無善を倒そうとしていた際に数馬と遭遇した。以来、数馬のもつ妖刀縁切の番狂わせの強さに目をつけつきまとっている。

 従来の獏像にある「人の悪夢を食う益獣」は建前で、その実態は怪異を討伐する際に様々なサービスを強引に提供するビジネスウーマン。夢界に限らずどんな異界であっても、駆けつけては売りつけようとする。

 彼女らの社会は妖力を吸わせて保存しておける特殊な花札を通貨、あるいはそれに準ずるものとしている模様で、怪異を倒すということは妖剣士らと利害が一致している。


 数馬と次郎に、「人の悪夢で成長する魔獣を退治する」ことで協力を求めるが、すぐに手の平を返すなど冷淡で腹黒い本性をあらわす。目先の利益のためなら相棒と呼んだ人間でも利用するのもいとわない。彼女のビジネスにコンプライアンスはないらしい。浅はかな小悪党ぶりのせいで数馬らとの信頼関係は希薄である。

 嫌味や憎まれ口を腹に隠しておけない性格であるらしく、大切な商売相手であるはずの数馬らに平然と暴言を浴びせる。
 数馬は度々、冷飯、根暗風情と鼻で笑われるので苦手意識が強い。ただし彼女本人の頭の中ではビジネス関係にかこつけて、彼女に不適切な関係を求めてくる汚らしい数馬に迷惑している図式である(獏は夢を通して、芽衣への恋慕の情は知っているはずである)が。次郎は担当を美人に変えて欲しいと訴えるが彼女は聞き入れない。

 数馬の保護者めいてきた妖刀縁切の精は、数馬にとって獏は程よい刺激材料だと見ている。


 獏(中年)曰く、なまじ夢を通して人の醜い裏面まで見たくなくても見てしまう種族特性故に、新人で潔癖気味の彼女は特に人間不信、荒んでいるのではとのこと。彼女自身にいわせると生意気で高飛車なのは「侮られないように過度に気負っている」からだそうだ。
 豆知識を開陳したがるが知ったかぶりも多く、ビジネス本の斜め読み程度の生半可な知識。次郎並みに信ぴょう性がない説明役でもある。
 他種族に比べて獏族は異界間の移動適性に優れているらしく、他種族とも商取引などで交流があるようだ。彼女の言が本当ならば獏族はある異世界で現代並みに発展した文明社会を築いている模様。
 薄給の勤め人らしく帰宅後の風呂と一人酒がささやかな癒し。富士、鷹、茄子、扇子、煙草、座頭など名門(獏族における財閥?一流企業?)の御曹司かエリートコースに見染められるのが夢らしいが、次郎も数馬も性格の問題でとても無理だと思っている。
 
妖刀無悪無善(田楽の悪夢)
 かつて作り出してしまった妖刀無悪無善が起こした惨劇の数々に端を発する後悔や恐怖の念など田楽の拭えぬトラウマから生まれた悪夢。

 いわば無悪無善の影、分身といえるもの。田楽を廃人寸前に追い詰めていた元凶。長年かけて絶望と負の念を吸い続けて成長、夢から現世に抜け出る寸前にまでになっていた。
 田楽本人を父として歪んだ愛情を抱き、彼の過ちを罰し続ける存在としてあり、共依存関係を築いている。自身を「悪夢」として駆除する相手には容赦しない。


 田楽は刀工の名門、大山未曽有の出身である。作風は華美さはないが堅牢で実用向きと評される。若い頃の田楽は流れの刀鍛冶としてなんとしても名声を得て故郷を見返したいと焦っていた。

 父になかなか認められず、捨てられた赤子を後継ぎにする宣言されたのにいよいよ耐えかねて、里に伝わる妖刀秘伝書を盗んで飛び出した。
 流れの刀工として芽の出ぬ日々を送っていた田楽は、ある藩で妖刀作成依頼に飛びついた。しかし雑念の入り混じった未熟な腕前で秘伝書の技法を用いた上、邪神像頭部を鋳潰して作られた不適切な原料だったことが重なり、邪な自我をもつ人の手に負えない妖刀を作り出してしまう。
 その妖刀は、妖怪天邪鬼の体を乗っ取ったのを手始めに、三人の妖剣士の妖刀の能力を奪う。更に本体ともいえる頭部以下の巨大な邪神像を得て妖力が薄い現世でも天災の如く振る舞い、犬飼と下田が属していた藩を壊滅に追いやった。

 

 悪夢中の無悪無善も本物に準ずる力をもつ。もはや天災同様の猛威に数馬もあっけにとられたが、負けることを知らぬ故に技巧無用の力押しを続ける相手に、身に着けた剣術と妖術の小細工で対抗、辛くも踏み止まり続ける。
 やがて数馬の「過去の過ちを糺すための究極の刀」を作るべきという言葉が田楽本人の心を揺り動かしたことで、無悪無善は弱体化、更に田楽が思い描いた刀を手にした数馬により窮余の一撃を受けて力を失った。

 

白虎(次郎が魔獣になった姿)
 獏に特殊な酒を飲まされた次郎が夢の中で魔獣と化したもの。欲望の衝動に突き動かされて攻撃的になる。次郎自身の理性は肉体の檻に閉じ込められたような状態となり自制が効かないが、技量はそのままに魔獣の膂力と妖力を得ている。
 次郎が考えた「さいきょう」の魔獣の意匠が随所に凝らされている。白虎の巨体に厚重ねの刀、鉈めいた牙と爪を備えて、背には短時間の滑空程度なら可能な翼。その上に口や尻尾から火を発生させられる。


 ただし相手の技を受けて模倣してみせる、あえての様子見、格好つけて大技を使いたがるなど、隙だらけの性質もそのまま。

 得意の火の妖術を無効化され、力押し型の怪異相手に有効だった剣技も、数馬の剣術を知悉し腕前自体も完全に上回られ、数馬は辛酸を舐めた。

 遅滞戦術を用いて搦め手の糸の妖術を急きょ開発、一時は捕縛に漕ぎつけるもとうとう倒すことはできなかった。
 最期は、弱った白虎を手駒にしようと思い直した獏の手にかかりそうになるも、次郎は彼女から妖刀を奪う。自らに突き刺して妖刀に魔性を吸い取らせることで人間の姿と理性を完全に取り戻した。
 
白雨音寿、師子王姉弟(封印)
 黒龍の封印を監視するための措置に組み込まれていた彼らの残り香、遺志として登場。
 討伐時点においての当人たちの外観と性格をほぼ留めている。姉の音寿は正也、次郎兄弟によく似た白い肌の若い娘、弟の師子王は浅黒い肌の童。
 いずれも白雨家の伝説に残る豪傑で、次郎が手も足も出ない武芸と妖術の達者である。黒龍退治と白雨家の風習の刷新を決意した次郎の心意気に応えて特別に稽古をつけた。


 弟は年相応に無邪気でありつつも、天賦の才をもち白雨家の宿命を背負っているせいか妙に大人びた性格。ただし封印内で時を過ごしているので本体から分化して以降、精神的に成熟しているとも考えられる。手加減をしながら次郎に稽古をつけてやるなど分別がある。一手落としたら顔に墨を塗るという羽子板風の対決で、次郎の顔が真っ黒になり、うなじに墨を入れられるほどになっても師子王は無傷のまま。しかも獏の特別製といえ扇子を得物にしていた。
 師子王の名は幼名にして通称、獅子王ではなく「獣」へんを除いた「師」の字を当てているのは故意らしい(妖刀の使いすぎは本人の魔獣化を促進してしまうために避けられていると思われる)。


 姉の音寿は元々弟より強い上、封印した黒龍の力の一部を得ているせいで手加減が下手らしい。後世に姿絵が伝わるほどの美女ながら本人は表情の変化に乏しい。暴力を伴うコミュニュケーションでスキンシップをはかり、デリカシーに欠ける発言で次郎をがっかりさせた。弟曰く「肖像画には過激な性分まで描かれていなかった」はずなのだが、音寿に憧れている女性剣士は多くはもすぐ手や足が出る性格である(次郎の姉貴分の芽衣や、熊野道場の朝野夕など)。

 

獏(中年)
 姉弟に従う獏族の中年男。白雨姉弟と同じく封印装置内で登場。彼も本人の分身と思われる。
 自身の子供ほどの年齢の彼らに慇懃無礼でへりくだり、姉に素足で顔を踏みにじられてもご褒美という発想をするなど、ぼやきを絶やさない獏(新人)と比べれば鋼のタフネスを誇る熟練企業戦士である。
 群を抜く二人の戦闘力では黒龍ですら片手間で倒すので封印など不要であるのに、長年のメンテナンス代を得るために高価な封印装置をごり押しで勧めるなど、自らビジネスチャンスを作っていくアグレッシブさをもつ。

 獏(新人)は猛烈振りを称賛すれど心情的に素直に受け入れがたい様子。娘に下着や靴下を一緒に現れるのを嫌がられる悲哀を味わう。


 人間族の戦国時代は獏族にとって過ぎ去った栄光の時代、戦後の高度経済成長期のようなものであるらしい。現在の獏界は不況なのか、人間にとっては厄介でしかない百鬼夜行の季節も彼らにとってはみみっちいながらかき入れ時と考えているようだ。

 

黒龍(吾助)
 平木のある村でかつて龍神様として祭られていた神格、あるいは神に祭り上げられた怪異。川が暴れぬようにささやかな供え物をしていた素朴な信仰が、時代が下るにつれて村の厄介者を処分する口実となり下がり、龍自体も徐々に変質していった。
 特に吾助といううだつのあがらぬ男が恨みを抱きながら生贄とされたのを境として、黒龍は「生贄を捧げる」風習自体の存続に固執する存在となってしまった。

 村長が自身の娘を生贄に要求されたことから討伐を依頼、派遣されてきた白雨音寿、師子王姉弟によりあっけなく封印された。


 封印装置は当時の獏族よりもたらされたもので、少しづつ外部に力を還元する方式。河鴎河川和尚が住職を務める寺の本堂、仏像の下、迷宮の最深部に安置されていた。封印の一助を成している仏像が捻転小僧と噂される盗賊団の仕業で盗まれたため、次郎の代で部分的に復活する。
 次郎は封印装置内で吾助と対談したが、彼の自我は他の生贄と同じく自縄自縛になってしまっていた。


 まがりなりにも村人に長年神として祭られた存在のため、神気は数馬の調子を狂わせるほどに強い。主たる攻撃手段は天候操作で、特に黒雲より雹雨を周辺に降らせ、落雷が切り札。かなりの巨躯だが結界に守られているうえ、龍の口から水流を吐き出して並みの相手を寄せ付けない。封印を解かれた際は、土石流めいたものを吐き出していた。


 無悪無善と同様に技巧面は皆無(蟻と象並みの妖力差をもつ人間相手にわざわざ技を磨く必要がないため)で攻撃は単調で、次郎の人を食った挑発に引っかかるなど高慢で隙は多い。

 姉弟に稽古をつけてもらった次郎に得意技をあっさり攻略された末にとどめを刺された。

この記事の先頭へ▲

あめにこまいぬ・五、六章のあらすじ

あめにこまいぬ・五章のあらすじ

〜妖怪青坊主からの救出〜
 真鍋数馬、新市円乃丞をはじめとした妖剣士たちの活躍で無類の再生能力と巨躯を誇る妖怪青坊主が居を構える異界より救出された人々。その中にかつて数馬らが作刀を依頼したがにべもなく断った田楽長久もいた。彼は青坊主の心を乱す術の影響から抜け切れず、何者かを恐れて暴れる酷い錯乱状態にあった。このまま長屋にも戻すわけにいかず、数馬の知己である河鴎和尚の寺に預けることにする。

〜田楽の悪夢〜
 田楽は寺の離れのひとつ獏の間で介抱されることとなったが、数馬は彼の悪夢の世界に引っ張り込まれる。そこで目の当たりにしたのは彼が後悔してやまない若かりし頃、邪悪な思念の沁み込んだ神鉄より焦りと未熟な腕が妖刀無悪無善を生み出した場面であった。

〜無悪無善〜

 人、妖怪すら下風におく異端の妖刀はある藩が辺境の村に送った妖怪討伐隊に潜み、彼らの戦いで暗躍して悉く力を奪っていき、手の付けられない存在となる。
 田楽の悪夢から下界に解き放たれる間際まで力を蓄えつつある無悪無善を危険視し、はるばる診察治療にやってきた霊獣獏も力及ばず。数馬もまた田楽に肩入れして悪夢を終わらそうとする異物と認識されて無悪無善から苛烈な攻撃を受ける。

〜悪夢の終わり、やってくる脅威〜

 田楽の挫折と屈折に己の影を映した数馬は大きく開いた戦力差を前に懸命に抵抗する。その姿に田楽も奮起、「無悪無善をも超える刀」の刀の幻影を数馬に託し無悪無善は倒される。
 満身創痍の勝利。しかしそれは田楽の後悔と恐怖が作り出した悪夢に過ぎず、本物の無悪無善は未だ世に解き離れたままなのだ。そして平木藩は大々的な武術大会を開いて各地の武芸者を集めようとしていた。

 

あめにこまいぬ・六章のあらすじ

〜恋患い〜
 武術大会開催を控えて静かに盛り上がる平木。道場拡大に獅子奮迅の活躍でこのところ過労の色が濃い芽衣が湯治に出かけることとなり、数馬は見送りに出る。かねてより門左が心配していた、藩外よりやってきた浪人瓜生の病弱な娘も同行する手筈だったが、彼女に世話を焼く門左に芽衣は嫉妬の色を浮かべる。それを見た数馬は一瞬妖刀の力で親友を斬ろうと思うも、踏み止まり己に嫌悪感を抱と同時に、衝撃を受けた数馬の心は妖刀を恐れて本来の力を封じてしまう。

〜田楽、床をはなれる〜
 長らく捨て鉢に生きていた田楽も過去の不始末に対峙するべく、長村道場の見学に通うまでになっていた。一人で持て余した数馬は次郎や剣術指南役に打ち明けて対策を練ろうとする。妖剣士の間で出回っている特殊な花札が獏の間に投げ捨てられているという、いかにも無悪無善の仕業と思しき事件も起こった。

 ただし門左だけにはこれ以上心配事は増やしたくない、巻き込みたいとの複雑な思いからあえて打ち明けなかった。

〜近くにいた目撃者〜
 瓜生と同じく剣術大会まで長村道場に厄介になっている下田兵平。彼も関係者だった。手始めに実際に起こった事件の顛末を教えてもらう。そして彼を通じてかつての仲間であり平木のどこかにいるはずの犬飼にも協力を要請してもらうことにした。
 平木藩を守るため本格的に妖剣士の道を歩もうとしている数馬、剣術指南役家の裏の役目である妖怪退治に本義を見出しつつある次郎。

 彼らの保護者は複雑な心境を匂わせる。責任を感じた子安は彼らの覚悟を試し、力不足ならやめさせようと下田と犬飼を試験官に据えて戦い合わせようと考えた。

〜次郎の悩み〜

 気弱な数馬を守るべき友だと思い定めていた次郎は、妖刀に見込まれて以降、どんどん力をつけ、異界の争いに関わりを深くしていく。

 危なっかしく見ていられない。焦り剣術指南役家の後継ぎ候補の彼は当主交代の時期が到来すれば兄と命を懸けて戦わねばならぬしきたりを前に、強くなることに対して煮え切らぬ思いを抱いていた。妖刀を手にすれば敬愛する兄を斬らねばならぬと悩みながらも友を一人死地に赴かせることもならぬからだ。

〜獏の思惑〜
 次郎は夢界の住人が出没すると思しき獏の間で数馬と眠りにつき、その糸口を求めることにした。果たして獏は彼らの夢に現れる。

 彼女は生業としている「夢界の魔獣退治」を通して、二人に協力を約束してくれた。魔獣退治で力をつければいいという。

 ただその前に新参の次郎の力試しを兼ねて数馬が実用に足るか試験をしたいといい出した。次郎に不思議な酒を飲ませて刃を生やした虎に姿を変えると、数馬に戦い合えと命じる。

〜数馬対白虎次郎〜
 親友であり、格上の技量をもつ次郎に八方ふさがりの数馬。搦め手を用いて粘るも力尽きる。獏は二人を潰し合わせ魔獣に仕立てた次郎を数馬をぶつけることで弱らせてから、己の手駒にするつもりだった。

 しかし次郎は獏から奪った妖刀を己に突き刺すことで己の魔性を力技で制するという離れ技で切り返す。

 どさくさに妖刀を得た次郎は片方しか生き残ることができない白雨家のしきたりにも反旗を翻す決意を固め、向上心を強めるのであった。

〜獏との協力、捻転小僧の暗躍〜
 試験を乗り越えた二人は予想以上に毒舌で腹黒な獏の二心を信用できないと疑いならも、目下の脅威を前に仮初の協力関係を結ぶこととなった。

 百鬼夜行の季節なる特別な時期により、町中は怪異譚が溢れていた。怪しい効用を謳う薬が裏で出回り、かつて世を騒がせた怪盗捻転小僧も復活し、富豪の蔵を次々に落としているという。

 

〜門左の名薬探し〜
 時を同じくして門左は瓜生の娘の健康を取り戻そうとしていた。かような時期ならばこそと万病を癒す薬などいかさま紛いから伝説の類にまで手を伸ばす。彼が思いついたのは河童の膏薬。もしかすればと好物の胡瓜を餌に町中の川で釣りを試みると、河童ではなく町中の人々が不思議に思って寄ってくる。

 素っ頓狂なやり口に呆れつつ優しさに感心して差し入れをして去っていく。寝具を扱う枕屋の者から若旦那の病の相談に乗ってくれと反対に頼まれる始末。

 新市円乃丞が悪童気取りで乱暴をしていた頃の知縁、朝野夕と守田山もそこを通りすがり、面白がって戯れと思える行為に参加するのだった。

〜怖い大人でてくる〜
 日暮れ。屈指の腕前だが高飛車な夕を、内心我らが護衛される側だろうと思いながらも武家屋敷まで送っていく二人。道すがら、三人をあからさまにつけてくる一行を面白がった夕は、はずれの神社に誘導する。

 一行の正体は誇大な効用の薬を押し売りする輩の元締めと取り巻き。お人好しの門左の絶大なる評判を利用して広告塔にしたてようとの腹積もりであった。

 河童の膏薬を見つけた体にして売り捌こうという彼ら。自慢の腕前を披露できない退屈な日常に飽き飽きしていた夕は待ってましたと、彼らに啖呵を切ってことを交える姿勢をとる。

〜用心棒〜

 だが懐を千金で潤す彼らは場違いな実力をもつ用心棒を従えていた。妹を溺愛する朝野馨が飼い犬に臭いを手繰らせて神社に姿を現す。藩下道場でも屈指の腕前をもつ朝野だが、魔性すら漂わせる用心棒に追い詰められる。守田山に夕を逃がしてもらい、門左は次郎が密かに仕込んでいた家紋付きの短刀がもつ玄妙な力で魔性に対抗、辛くも用心棒を退かせること成功した。

 

〜寺の異変〜

 獏の試験を潜り抜けて夢から覚めた二人。だが目覚めたのは現世(人界)ではなく異界の中。噂の捻転小僧の仕業か神仏像や宝物の類をことごとく奪われた影響で、封印していた黒龍の緩んだことによる異変だった。

 全力を発揮していないといえ気象を操り絶大な力を示す相手に、ついに妖刀をどさくさで入手して浮かれる次郎、ひょうひょうとした態度を崩さない河鴎和尚。数馬は作戦を考えるだけで怖気づき思うように実力を発揮できない。

 次郎は危うい挑発を繰り返して黒龍の注意を引いて反撃の機会を窺う。黒龍が大技の雷を放った拍子にはっしと突きかかるも、忽然として消え失せてしまう。

〜吾助の人生、小芝居〜
 龍退治の最中、なんの変哲もない村に飛ばされた次郎。神出鬼没の獏が出没、田楽の悪夢同様、夢幻能のような「己語り」の異界だろうと推測する。彼女は懲りぬ顔で商魂丸出しで怪異退治の品物を広げだす。
 獏の見立て通り、龍になってしまったうだつのあがらぬ男吾助の人生が芝居仕立てで始まる。過去に起こった出来事でもう変えられないのだと獏にいわれても、次郎は気に食わない話の筋書きに度々乱入をして混ぜっ返す。やはり流れは変わらない。

〜黒龍の討伐者〜
 村長の息子にいじめられ、次はいじめの手先になり、挙句は龍神様の生贄にされて恨みを抱きながら川に捨てられた吾助は龍の一部となり、その神性を邪なものへ傾けるに至った。生贄の風習を強要する黒龍吾助。そんな黒龍に娘を度々要求された村長は手のひらを返して討伐者を呼び寄せる。
 やってきたのは次郎の先祖で年若くして伝説に語られる、音寿と師子王姉弟。史実において、姉弟は獏族の手を借りて黒龍を封じた張本人である。

〜先祖と稽古〜

 彼らは封印の中に、再封印の手ほどきや黒龍を侮り力を利用しようとする者への警告と自身の分身ともいえる意志と力を残していた。次郎は脈々と続く指南役家の使命を果たすべく、封印という禍根を残すやり方よりも黒龍との完全決着を望む。姉弟に稽古をつけてもらうように頼む。

 対黒龍戦法を身につけて次郎は数馬の元に戻ってくる。獏は商機だとついてくる。

〜完全撃破〜
 自信満々の次郎は数馬の心配をよそに本気の猛攻を仕掛ける黒龍をものともしない。妖刀を虎児に変えてけしかけ、次々と弓を射かける。吾助の身の上に、数馬は感傷を抱き、次郎を酷いとすら思う。

 次郎とて絶対とされてきた家のしきたりに悩んでいたどうにもならない掟に翻弄された吾助の弱さに同情心が疼かぬはずもない。なれど気持ちを押し隠しながら、妖剣士は相手を倒すことでしか自縄自縛に陥った者を救えないといって止めを刺した。

この記事の先頭へ▲

あめにこまいぬ・あらすじ

あめにこまいぬ・これまでのあらすじ

 

これでわかる! あめにこまいぬ! 

 

 時は江戸、舞台は辺境の平木藩。
真鍋数馬はうだつのあがらぬ武家の次男坊、弱小道場の師範代を勤めている。道場主の娘、長村芽衣にほのかな恋心を抱きながら友人である良田門左、白雨次郎と平穏な日々を送っていた。
 しかし長村堂外により芽衣の縁談話が持ちあがり、評判の悪童新市円乃丞が相手だと知った時より数馬の心は乱れることになる。時を同じくして江戸よりやってきた堂外の義弟、子安熊五郎。彼が所持していた妖刀縁切で新市に対抗し、辛くも窮地を切り抜けた数馬。妖のものと縁をもった彼の運命は変わっていくことになる。
 当の芽衣は娘たちを泣かせてきた新市に一泡吹かせてやろうと企み、あえて縁談を進めていた。顔合わせの日、ほろ酔いの新市に勝負を挑んで見事勝利したのであった(一、二章)。

 

 大恥をかかされた新市も黙ってままでいなかった。同門の熊野道場四天王を引っ張り出してきて、長村道場に交流試合をもちかける。熊野道場は藩下最大の規模を有し、門人も強者揃い。特に四天王筆頭平森宗治郎は若手剣士最強の誉れ高かった。
 道場発展の野望を抱いた芽衣は、喜々として申し出を受ける。次郎は奇襲に備えて、数馬や門左にまともな刀を持たせようとするが冷飯の小遣いで手も届くはずもなく。そこで目端が利く瓦版屋川辺屋政次のつてを頼り、流れの刀工田楽長久をされる。しかし田楽はふさぎ込んでおり、聞く耳をもたない。


 交流試合直前、新市は長村道場の調子を乱そうと小細工をしかける。結果、次郎は試合に参戦できず不戦敗。朝野夕との女流対決を芽衣が制し、数馬は平森に手の平で遊ばれ敗北。二勝一敗で迎えた門左対新市戦は、新市の策略を前に秘めた力を発揮した門左が逆転勝ちで、なんとか引き分けで終わった。
 遅れてきた次郎は刀狩なる妖怪に遭遇したと弁明、妖刀を有する子安をうまくおだてつつ、再度の遭遇に成功。数馬と次郎は妖刀の力を借りて刀狩を撃破するのだった(三章)。

 

 剣術大会なる盛大な催しが藩主導で計画されている。新市を蹴散らした芽衣に目を留めた重役たちは、「大会の優勝者ならば芽衣にふさわしいのではないか」と戯言を発する。次郎は芽衣から、挙動が怪しい門左の様子を探ってくれと頼まれ、尾行する。結果、それは長屋に住む病床の女童を励ますための行動であったと判明する。
 またまた心休まらぬ数馬の前に、妖刀を使いこなしつつある新市が再び現れた。新市は己の力を誇示したがり、渋る数馬と子安を挑発して妖怪退治に同行させる。
 異界の主は青坊主という巨体の妖怪。脅威の剛腕と再生力、心を惑わす咆哮で人々を捕えている難敵に新市は思わぬ苦戦を強いられ、数馬は三度縁切の助けを求める。一時は青坊主を退けるも、仕官目的で妖怪を狩る犬飼木との遭遇を経ているうちに青坊主は復活する。
 妖刀縁切の強すぎる力と代償に慄きながらも、数馬は人々を逃がすために殿を申し出る(四章)。

 

 とって返してきた子安も加わり、数馬は青坊主に止めを刺した。青坊主は、破棄される予定であった失敗作の器の付喪神と推測された。囚われ人の中に刀工田楽長久が混じっており、彼の尋常ならざる錯乱振りに一計を案じ、河鴎和尚の寺へ移送する。翌日、改めて経過を見にやってきた数馬だったが、田楽の悪夢の世界に取り込まれてしまう。

 田楽が捨て鉢になったのは、焦りと慢心が生み出してしまった妖刀無悪無善(無善無悪という語をもじったもの)が暴虐を尽くす悪鬼と化してしまったことが原因だった。過去の犬飼初め、三人の妖剣士と強力な妖怪天邪鬼をよせつけぬ規格外の強さを見せつける無悪無善。
 数馬は絶望的な戦いに田楽の過去の因縁を絶ち切るべく挑む。五感、特に眼力を力の代償に捧げて尚、無悪無善は止まらない。諦めない数馬は霊獣獏の助言と田楽自身が奮い起こした勇気で以て作り出した未来の妖刀で、ついに悪鬼を雲散霧消させた(五章)。

 

 悪夢中の無悪無善は倒した。しかし、未だ健在の本物は力を田楽と世間に誇示するべく平木までやってくるに違いない。田楽はわずかに気力を取り戻し、無悪無善を成敗する妖刀を自ら打とうという気概を示し始める。
 これまでの奮闘がたたって疲労困憊の芽衣は、次郎の思いつきでしばし湯治へいく。その見送りにどうにか間に合った数馬。しかし芽衣が門左を意識していることを悟り、愕然とする。妖刀縁切の力を用いて友を斬り捨てようか。一瞬、魔がさしたものの、すぐさま我に返り自己嫌悪に陥るのだった。
 友を戦わせたくない次郎は先延ばしを続けていた妖剣士となることを決意する。
 彼らの行く末を案じる、師の堂外、次郎の兄の正也、そして事の発端である子安。正也は二人の覚悟を試すというが、数馬に異変が……(六章)。

この記事の先頭へ▲

お名前メモする