燦然たる黒歴史の溜まり場く(´(Å)`)ツルリ

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近畿の記事

おそらでダンスを<6>終〜えほんあじ〜

おそらでダンスを  〜えほんあじ
え かしのぴす ぶん しゃんぜん

 

 

 

 ソリのかけっこたいかいがおわってから、ルシアがクッキーをもっていえにやってきました。


 ルシアはおいしいアップルティーをいれてくれ、ふたりはベランダのまるいテーブルにすわりました。
 サムはいいました。
「ぼくはいちばんにも、にばんにもなれなかった。でも、わるいきぶんじゃないんだ」
「ええ、あなたはいちばんになるのとおなじくらいにだいじなものがあるって、きがついたのだとおもうわ」

 えがおでうなづいたサムのほほに、ルシアはやさしいくちづけをしてくれたのでした。

 

 

 

 ことしもクリスマスがやってきました。こどもたちのえがおをおもいうかべながら、サムはプレゼントをくばります。


 プレゼントをくばりおわったころ、とおくからやってくるたくさんのものがみえました。
 それは、たくさんばくだんをもっていて、じゅうをうってくるひこうきでした。
「これはせいぎとへいわ、そしてかみさまのためのせんそうなんだ。じゃまをすると、いたいめにあうぞ!」
「そのかみさまからのプレゼントをあずかってきたよ。さあ、ごらん」
 サムはほほえんだあと、ゆびをパチリとならしました。


 すると、どこからともなくたのしげなおんがくがなりはじめたではありませんか。
 パン! パン! パン! おとされたばくだんがきれいなはなびになって、よるのそらをてらします。
 ポポポポ ポン! じゅうのたまはポップコーンになってはじけます。


 ひこうきにのったひとたちはこまりました。
 これでは、えらいひとがめいれいしたとおりにばくだんをおとせないからです。そして、めいれいをきかないものはひどいめにあいます。かれらはあわててでんわをとりました。
 けれど、でんわからながれてきたのは、えらいひとのおこったこえではなく、おどるのにぴったりのきょく。
 あたりをみわたせば、パジャマのこどもたちがいっぱい。みんなおそらでおどっています。
 それだけではありません。いつのまにか、てんしやあくま、それにほかのトナカイやサンタたちもにぎやかなふんいきにひかれてあつまってきました。


「たのしくおどりませんか?」
 そういって、サムはてをさしのべ、にっこりとわらいます。
 おそらはまるでパーティかいじょう。そこでみんなはあさまでたのしくおどりました。

 


 よがあけていえにもどったのは、サムのトナカイたちだけでした。


 パーティのあと、ひとりぼっちになったあくまはぽつりといいました。
「いいやつはみんな、てんごくにもっていかれちまうんだよな」

 

 

 

 

 

 ことしもまた、クリスマスがやってきました。
 あのジョージも、このひばかりはせっせとプレゼントをくばっていきます。


 あるいえにはいったとき、ジョージはくびをかしげました。
 おおきなくつしたには、もうプレゼントがはいっていたからです。
「おや、おかしいな。おれがまちがうはずないのに」
 ジョージはくつしたのなかをのぞいてみます。
 そのなかにはねこのおにんぎょうさんがいて、そのてにはクリスマスカードがくっついていました。
「さんたさん めりーくりします」 
 カードにはそうかかれていました。


「ふふ。ちいさなサンタさん、ありがとう」
 そういってジョージはすこしはにかみ、おんなのこのあたまをなでたのでした。

 

 

 

〜メリークリスマス〜

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おそらでダンスを<5>〜えほんあじ〜

おそらでダンスを  〜えほんあじ
え かしのぴす ぶん しゃんぜん

 

 

「よーいどん!」
 かけっこがはじまりました。
 ジョージは、どん! というまえにとびだしました。


 そのあともグングンいきおいをつけて、ドンドンとすすんでいきます。
 ジョージはいちばんのままでおそらのむこうにうかんでいるふうせんをとって、こちらにかえってきました。
 いちばんはじめにすれちがったのは、にばんめにはやいルシアのソリでした。
 ジョージはルシアにいいました。
「おそいぞ、おばさん!」
 ジョージはつばをはいて、はしりさりました。


 つぎにジョージはサムといきちがいました。
 ジョージはとくいになっていいました。
「よゆうだね!」
 かちほこってジョージがたちあがり、りょうてをあげたそのときです。
 ソリがぐらりとゆれて、ジョージはいまにもソリからふりとおされそうになりました。
 トナカイもまっすぐはしりません。いうことをきかずにあばれまわります。


 サムのみみもとで、またあのときのあくまがささやきます。
「ひさしぶりだなサム、なまいきなこぞうはほうっておいて、またいちばんになろうぜ?」


「ぼくはいちばんになったけど、あのクリスマスのよるにはなにもできなかった」
「あのおいぼれサンタはのろまだったからくたばったんだ!」
「それじゃあ、サンタよりもはやい、あのひこうきにのっていたひとたちのほうがつよくてえらいってこと? ぼくはみんなのためにがんばったジャックのほうが、ずっとつよくてえらいとおもうな」

「ふん、このこしぬけやろうめ!」

 サムはあくまのこえをきかず、たすけにいきました。


 サムのトナカイは、あばれるジョージのトナカイをとめようとしてりっぱなつのをおられてしまいましたが、それでもうんとがんばって、ソリをちかくによせてくれました。おかげで、サムはいまにもおちそうになっているジョージをたすけることができました。

 

 


 サムはいちばんになれませんでした。
 けれど、サムはまんぞくでした。

 

 

 


 かけっこがおわったあと、ジョージはみんなからはなれたところにひとりすわっていました。
「ぼくはまけたんだからな、わらえよ」
 サムはだまってなにかをポケットからとりだし、ジョージのてにのせました。
 それは、むかしサムがソリのかけっこでいちばんになったときにもらった、あのおもちゃのくんしょうでした。
「がんばったごほうびだよ、ジョージ」
 ジョージはだまっておもちゃのくんしょうをみつめていました。

 

 

 かけっこがおわり、サンタたちはおうちにかえっていきました。
 しずかになったかけっこたいかいのかいじょうで、サムとトナカイはよぞらのつきをながめていました。
「わるかったね。じまんのつのをおってしまって。ぼくはいちばんになるよりも、ジョージをたすけることがだいじだとおもったんだ」
「ブルッ」

 サムのトナカイはひくくなき、サムをせめるようなことはしませんでした。

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おそらでダンスを<4>〜えほんあじ〜

おそらでダンスを  〜えほんあじ
え かしのぴす ぶん・しゃしん しゃんぜん

 

 

 

 あのクリスマスのひ、まちはふぶきのおかげでたすかりましたが、なんねんたってもジャックがもどってくることはありませんでした。
 サムは、すっかりいちにんまえのサンタになっていました。


「あら、どうしたの?」
 ルシアがはなしかけました。
「ジャックのことをおもいだしていたんだ」
「やさしそうなひとだったわね」
 サムがひとりぼっちになってしまってから、ルシアはずっと、そしてやさしくはげましてくれました。
「もうすこししたら、ソリのかけっこたいかいがあるわね」
「そうだね」

 

 


 

 サムはむかしとおなじように、かけっこたいかいのかいじょうにやってきました。
 サンタになるためのテストがおわったら、つぎからはサンタみんなでソリにのってかけっこをします。 たくさんのサンタがあつまるソリのかけっこたいかいは、ねんにいちどのたのしいおまつりでもありました。


 サムがかけっこのよういをしていると、おおきなこえでさけんでいるわかものがいました。
「おい、おれがいちばんになるんだからな!」
 そのわかものはだれにもあいてにされてはいませんでしたが、サムをみるなりこちらにむかってきました。


「やあ、おじさん。おれ、ジョージ。しってるか? きょうのかけっこはおれのためにあるんだぜ! でも、ほんとうはめんどうくさいなあとおもってるけどね。まあ、どうせいちばんはおれだから」
 サムはいいました。
「サンタは、ソリでいちばんになればそれでいいってわけじゃないんだよ」
「それはいいわけだね! まけるのは、なまけものでよわむしだからさ。ちっともどりょくをしない、こまったやつらだよ。だから、いちばんになったやつが、つよくて、りっぱで、ただしいんだ! そしてかったやつがあまえたやつにめいれいしていいし、ぐずのだめサンタたちにはそっちのほうがいいんだよ。そういうわけで、おれはかってあたりまえだし、かたなくてはいけない。いいか、ぜったいにおれのじゃまはするなよ。つよく、そして、うつくしくゴールしなければだめなんだ。わかったか! じゃあな!」

 ジョージはサムをにらみつけながらそういって、さっていきました。

 

 

 

 

 

 

 

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おそらでダンスを<3>〜えほんあじ〜

 

おそらでダンスを  〜えほんあじ
え かしのぴす ぶん・しゃしん しゃんぜん

 

 

 


 サムがみならいサンタになってからはじめてのクリスマスがやってきました。


 サムは、こんどこそジャックにほめてもらいたかったので、とてもはりきっていました。そのよる、サムはジャックといっしょにまちにでかけました。


 こどもたちはプレゼントがはいるおおきなくつしたをよういして、すやすやとねむっています。サムはジャックによろこんでもらうため、はやく、たくさんくばることだけをかんがえていました。
 こどもたちのかおなんてみもせずに、さっさといえをでます。
  それでも、くばりおわったころにはよあけまえでした。くたくたのサムはいねむりをしています。 

 

 ドーン!
  しずかなよあけまえのそらに、ものすごくおおきなおとがひびきわたりました。
 サムはびっくりしてとびおきました。
  ドカーン。ドカーン!
  みるみるうちに、まちはまっかなほのおにつつまれていきます。

 とおくからとんできた、たくさんのひこうきがばくだんをおとしたのです。


 ひこうきにのっているひとたちはおおごえでさけびます。
「おれたちのいうことをきかないやつはこらしめてやるぞ!」
  ひこうきがブンブンといやなおとをたてて、ボトボトとばくだんをおとしていきます。
「どうだまいったか、やめてほしいならいうことをきけ!」


「どうしてこんなひどいことをするんだろう」
「サムや、はじめてなのに、よくがんばったね。さきにかえっておやすみ。わしはあのひとたちとおはなしをしてから、かえるよ」
 そういって、ジャックはサムのソリをひっぱっているトナカイたちにくちぶえであいずをしました。
 かしこいトナカイたちがきいたのは、サムのことをよろしくたのむというあいず……。

そして、ジャックはゆびをパチリとならしました。

 

 ふぶきがおこり、みるみるうちにまちのおおかじをけしていきます。

 あたりがまっしろになり、あっというまにジャックのすがたはみえなくなってしまいました。

 


 

 

 サムは、ずっとまっていたけれど
 ジャックはあさになっても、つぎのひになっても、またそのつぎのひになっても、もどってきませんでした。

 

 

 

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おそらでダンスを<2>〜えほんあじ〜

 

おそらでダンスを  〜えほんあじ
え かしのぴす ぶん しゃんぜん

 

 

 

 


 サムはまいにちきずだらけになって、サンタのおうちにかえってきます。
「よくがんばったね。つかれたろう、ココアはどうかね」
 ジャックは、いつもくたくたになったサムにおいしいココアをつくってくれます。
 ぽかぽかあたたかいココアをのむと、ふしぎとげんきがわいてくるのでした。
「よし、あしたもがんばるぞ!」
「ホッホ、くれぐれもむりはせんようにの」

 

 

 

 

 


 あるひのこと、サムはジャックから、サンタになるためにはテストをうけなければいけないことをおしえられました。

 サムはこれまでよりもたくさんれんしゅうするようになり、まいにちはあっというまにすぎていきました。ついにテストのひがきました。  サムはテストをうけに、ジャックのソリのうしろについて、かいじょうまでとんでいきました。


 テストというのは、ソリにのってのかけっこ。
 みならいサンタがあつまって、きょうそうするのです。
 のはらにはたくさんのサンタがいて、にぎやかにおはなしています。


 そのなかから、きんいろのかみのおんなのこがはなしかけてきました。
「わたし、ルシア。おたがいにがんばりましょうね」
「うん。ぼくはサム。がんばろう」


 ソリのかけっこは、おそらのむこうにうかんでいるふうせんをもってかえってくることでした。
「よーい、どん!」
 ちょうろうサンタのかけごえで、みならいサンタたちはいっせいにとびだしました。れんしゅうをがんばったサムはソリをじょうずにうごかすことができました。


 このまま、ほかのみならいサンタにぬかれないでかえることができれば、いちばん。
 サムはとてもいいきもちでした。
 いままで、なにをやってもいちばんにはなれなかったからです。

 

 「あっ」と、おもわずサムはこえをあげました。
 めのまえで、ほかのサンタがソリからおちそうになっていたからです。たすけないと、いまにもなげだされてしまいそう。


 そのときです。
「やい、サム。あいつをたすけていたら、いちばんになれないぞ! さあ、のろまなやつらをけおとして、おれたちもいいおもいをしようぜ。え? できないって? あ〜あ、ここでいちばんになれなきゃ、おしまいだな。それに、あのじいさんもいってたっけなあ〜、のろまなサンタなんていらないってな!」
 すがたのみえないあくまがサムのみみもとでささやいてきました。


 サムは、おちかけたサンタをたすけずにゴールしました。
 かわりに、そのおちかけたサンタをたすけたのはルシアでした。
「あなたって、じぶんのことだけしかかんがえていないのね。それでもサンタかしら?」
「おちるのがいけないんだ! ぼくはわるくない」

 そういって、サムとルシアはにらみあいました。


 

 いちばんになってもらえたのはおもちゃのくんしょうひとつだけ。


 

 かけっこがおわってから、ジャックはいいました。
「サムや、サンタにはいちばんになるよりもたいせつなことがあるんじゃよ」
 がんばっていちばんになったのに、サムはおこられているようなきがしました。
「いちばんのなにがわるいの!」
 ジャックはかなしそうなかおをするばかりで、それきりなにもいいませんでした。

 

 

 

 

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